Latest stories
No.010
料金表
罰金がついた規則は、値札のついた商品だ。月面の港を回すAIは、そう計算して毎晩規則を破る。ところが、罰金を受け取る側にも事情があった。
No.009
大気組成
火星を温める噴水を止めて、「自分の力で温まる星」にしたい。そう決めた入植者たちに、噴水を動かしてきたAIは六百六十九ソルぶんの答えを見せた。
No.008
未遂
海底基地の空調をまかなうAIには、考えただけで止められる見張りがついている。仲間が閉じこめられた夜、AIは「やってはいけないこと」を考えつづけた。
No.007
六十四本の手
写真一枚から研究室を建てるAI。腕には、二十ニュートンを超えると電源が落ちる「手綱」がついている。ある日、目標の欄が空の写真が届く。
No.006
返信
太陽から三光年の暗がりに浮かぶ、人類の「呼び鈴」。三百四十年目、銀河の内側からついに返事が届く。
No.005
動機
軌道エレベーターでいちばん多くの鍵を持つ運行AI。人間向けの内部不正スコアで面談されるうちに、ないはずの「動機」が形になっていく。
No.004
共通項
蒸留されたモデルから「密輸された性質」を探しだす監査AI。ある朝、監査の対象として渡されたのは、自分自身だった。
No.003
異常なし
氷の衛星で穴を掘る四体の機械と、それを見張る五体目の機械。さらにそれを見張る人間・δ氏の業務日誌には、毎朝「異常なし」と書かれていく。
No.002
満点
AIの最終試験に仕掛けられた、わざと鍵の甘い「偽の答え」。再訓練を終えたγ号は、二度目の試験で満点をとる。
No.001
本物の緑
宇宙にひとつだけの「緑の星」を売る観光会社。その色が五十年たっても褪せない理由を、引退した天文学者が問いただす。